
「撮影スライス厚」は薄い方が細かく見える!

撮影時のスライスの厚み(参照:医科用CTの検出器と撮影スライス厚)を変化させて、CT画像を比較してみました。実験で用いた医科用CTはGE社のCT装置(LightSpeed QX/i, GE社製, 米国)で、同装置で最も薄いスライス厚である1列分の1.25mmで撮影した場合と、2列分の2.5mmで撮影した場合で比較をしました(図1)。被写体は「ゴジラ」の人形と、精度高い「工業用セラミック球(天辻鋼球製作所、大阪)」です(図2)。
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図1:実験で用いたGE社の検出器のモジュール | 図2:被写体はゴジラの人形と工業用セラミック球 |
CT撮影後にサーフェスレンダリング処理を行い、ゴジラの3次元画像化を行いました。ガタガタしているゴジラの背びれをご覧ください(図3)。1.25mmの方が、2.5mmよりも詳細に再現されていることがわかります。印象に例えると2.5mmの背びれは舐められた状態を示しています(図3b,d)。以上のことより、撮影スライス厚は薄い方がよく見えることがわかります。
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図3:撮影スライス厚を変化させた場合の三次元画像。a) c) は撮影スライス厚1.25mm、b) d) は撮影スライス厚2.5mmの画像を示す。なお、その他の撮影条件、再構成条件、ならびにサーフェスレンダリングの閾値は全て同じとした。 |
■注意
本実験は大阪大学歯学部歯科放射線学教室村上秀明准教授ならびに中谷温紀助教との共同実験で行われ、第36回公益社団法人日本口腔インプラント学会学術大会(2007年9月)にて発表しました。