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CTの基礎

医科用CTもコーンビームCT

ここがポイント

医科用CTも今では「ファンビーム」ではなく「コーンビーム」

ボトム

 現在医科用CTは、多列の検出器が搭載されている「マルチスライスCT」の時代です。マルチスライスCTの1つである東芝メディカルシステムズ社のAquilion ONE™を例にお話しします(図1a)。Aquilion ONE™は世界最多列の320列の検出器が並ぶ医科用CTで、体軸方向(Z軸方向)の撮影範囲(正確には有効視野、FOVといいます)は16cmもあります。そのサイズは歯科用CTのFOVの高さ(8~9cmが多い)よりも広く、心臓をまるごと撮影できます(図1b)。
 さて、よく「医科用CTと歯科用CTの違いは何か?」という質問に対して、「医科用CTはファンビームで、歯科用CTはコーンビームです。」と答える先生も多いのではないでしょうか。 しかしそれは間違いです。医科用CTがシングルスライスCTだった時代であればそういえたのですが、現在のマルチスライスCTの時代において医科用CTと歯科用CTを比較した場合には医科用CTは上述のように16cmの撮影範囲を示し、まさにコーン状のX線でCT撮影しているために「医科用CTもコーンビームCTである。」といっていいのです(図2)。

Aquilion ONE
図1 a: Aquilion ONE™(東芝メディカルシステムズ社製)。B:Aquilion ONE™で撮影された心臓の3D画像
(東芝メディカルシステムズ社様のご厚意による)
 
医科用CTもコーンビーム
図2 医科用CTでも現在ではマルチスライスCTなのでコーン状に撮影している。
 
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