CTの基礎

MPRとは

ここがポイント

CT断面のことを「MPR像」という。歯科では「オブリーク断面」と「カーブドMPR」が重要。

ボトム

 CTの断面のことを専門用語で「MPR像」といいます。MPRとは「multi-planar reconstruction, multi planar reconstruction (滅多に言わないがmulti planar reformat)」の略で、日本語では「多断面再構成像(任意断面表示)」と訳されます。「再構成された多くの断面」を意味した言葉です。

 医科領域で用いられる基本的なMPR像は3つあり、体に水平な「体軸断面(アキシャル断面, axial 断面):図1」、縦切りの「矢状断面(サジタル断面, sagittal 断面):図2」、横切りの「冠状断面(コロナル断面, coronal 断面):図3(「歯科では前頭断面」ということも多い)」の3つの断面です。

 また、傾斜した断面を「オブリーク断面(斜断面, oblique 断面):図4」といい、さらに心臓の表面に分布する冠状動脈や顎骨や歯列に沿った湾曲したMPR像のことを「カーブドMPR(curved MPR, CPR=curved planar reconstruction) :図5」といいます。

体軸断面 矢状断面 冠状断面 オブリーク断面
図1:体軸断面 図2:矢状断面 図3:冠状断面 図4:オブリーク断面

(東芝メディカルシステムズ様ご提供資料より改変)

 

カーブドMPR
図5:カーブドMPR。左は心臓の冠状動脈に沿ったカーブドMRP。右は顎骨に沿ったカーブドMPR。

(心臓の画像は東芝メディカルシステムズ様のご厚意よる)

世界初の「インプラント断面」

 モンソンの球面説でご存知のように天然歯は傾斜しています(図6)。欠損補綴におけるインプラントの植立方向も、十河は残存歯との調和を考慮すると傾斜埋入すべきと考えています(これは十河のインプラントの師匠の一人である東京都ご開業小宮山彌太郎先生の教えでもあります)。しかし、従来からのCTの断面では歯列弓に垂直な「頬舌的断面」しかなく、傾斜するインプラント体は斜め切りされていました(図7 a,b) 。そこで、傾斜するインプラント体に有効と考えたCT断面が(天狗はいけませんが)世界で初めて十河が考えたと自負する「インプラント断面」です(図7 c,d)。

 インプラントの中心軸に沿ったオブリーク断面をシミュレーションの世界に応用した独創的な断面で、今でこそいくつかのシミュレーションソフトの中に「インプラント断面」に類似した画像が搭載されていますが、世界初ということと、下手ながらも臨床を行う歯科医師ならではの発想から歯科における空間座標系の基準平面の表現を工夫することで「他の類似した断面とは違ってわかりやすい断面だ」と今でも高くご評価いただいています。詳細については、企業色が出るためここでは割愛します(参考:iCATホームページ)。

シングルスライスCTの検出器   マルチスライスCTの検出器
  図6:傾斜する天然歯   図7:通常の垂直な頬舌断面(a,b) と傾斜するインプラント断面(c,d)

CALL 光・レーザー臨床研究会

 
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