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CTの基礎

フルスキャンとハーフスキャン

ここがポイント

CT撮影の基本は360度撮影の「フルスキャン」。半周撮影を「ハーフスキャン」という。

ボトム

 歯科用CTは医科用CTと異なり、独特の撮影技術を利用していることがあります。本頁から順次3つの撮影法について説明をします。まずは「フルスキャン」と「ハーフスキャン」からです。

 通常、CT撮影は360度の投影データから再構成されるため、360度撮影の「フルスキャン」が一般的な撮影方法となります(参照:CT画像はX線の影絵から) 。しかし、低被曝を目的に撮影時間を半分にする撮影方法、すなわち180度でCT撮影を行う「ハーフスキャン」のできる装置もたくさんあります。確かに「ハーフスキャン」は「フルスキャン」に比べると低被曝にはなるものの、360度撮影の「フルスキャン」にある“対向ビーム”が存在しないため、X線による情報量が少なくなり一般的に画質は劣化します。

360度撮影
=フルスキャン

180度撮影
=ハーフスキャン

フルスキャン ハーフスキャン

 しかし、歯科用CTは1周の撮影時間が20~30秒と医科用CTに比べると長いため(医科用CTでは管球の1回転が1秒未満)、患者さんの動き(モーションアーティファクト)を考慮するとハーフスキャンの方が、 「被写体の動きが少なく画像がきれいに見える。」とおっしゃる先生もいらっしゃることでしょう。 特にじっとできない小児には有効かもしれません(「フルスキャン」と「ハーフスキャン」についての十河の私見は、 次の「被曝と画質の天秤」にて述べたいと思います)。

 
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