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CTの基礎

CT値とは?

ここがポイント

CTの画像濃度値のこと。水がゼロ、空気が-1000の値で、空気は黒く表現される。

ボトム
 

 CTの画像において、2次元画像いわゆるMPR像は小さな正方形の「ピクセル」言い換えると「画素」から構成されています(図1)。また3次元は立方体の「ボクセル」から成り立っています(参照: ピクセルとボクセル)。ピクセルやボクセルには白黒の濃淡値(画像濃度値)が与えられCT画像を表現しています。この画像濃度値のことを(医科用)CTでは「CT値」と呼んでいます。

体の60%は水

図2 人の大部分は水からできている

 人間の体の約60%は水からできているため(図2)、CT値は水を原点のゼロとして、何もない空気の状態を最低の値である-1000で表現しています。そして空気の-1000は、CT画像上では真っ黒に表現するように設定されています。図1は左側上顎の臼歯部付近の前頭断面を示しますが、口蓋と舌の間の空気層は黒く表現されています。

 CT値の設定は、医科用CTではほぼ毎日朝一番に何も置かない状態でCT撮影を行うことで付属するコンピュータに「今撮影したのは空気だよ。値を-1000にするように!」と伝えます。また半年~1年に最低でも1回はメーカーさんがメンテナンスにやってきて、その時に水のタンクを装置に置いてCT撮影を行い、「今撮影したのは水だよ。値を0にしてね。」とコンピュータに教えること(図3)、いわゆるキャリブレーションを行います。ピアノでいう調律のようなことを時々行って、常にいい音色を出すようにCT値が安定して適正に表現されるようにしています。

 

CT画像はピクセルから
図1 CT画像を拡大して見ると、画素(ピクセル)から構成されている。各ピクセルは白黒で様々な濃淡を表現しているが、その白黒の画像濃度値のことを(医科用)CTでは、「CT値」と呼ぶ。
空気と水によるキャリブレーション
図3 CT装置は水を0、空気が-1000になるようキャリブレーションを行う。いわゆるピアノでいう調律のようなことを行い、CT値を安定した値にする。(図は「辻岡勝美著、CT自由自在、メディカルビュー社、p.16, 2003.より引用改変)
 
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