CTの基礎

SDCTとMDCT

ここがポイント

現在は、広い範囲を撮影できる「マルチスライスCT」の時代。

ボトム

 CTが発明された当初、検出器は1列でした。しかし、ヘリカルCTが出現してさらに10年程経った2000年頃、CTの検出器の多列化がはじまりました。いわゆる「マルチスライスCT」の時代です。そもそも1列だったCTが、大きな臓器を短時間で撮影するために 4列、8列、16列、32列、64列と検出器の列数が増え(下図)、現在では世界に誇る日本の最高技術として東芝社では320列のCTまで開発が行われ(2011/4/1記) 、動いている心臓さえも拍動を止めることなくCT撮影できる時代になりました。

 呼び方として、シングルスライスCTのことをSDCT(single-detector row CT, single-detector CT)、マルチスライスCTのことをMDCT(multi-detector raw CT, multi-detector CT)と一般に略します。また時々、MDCT をmulti-slice CTとしてMSCTとおっしゃる先生もいらっしゃいます。

 

4列のCT/8列のCT/16列のCT

(東芝メディカルシステムズ様ご提供資料より改変)

言い方の違い(多列の検出器)

 「ノンヘリカルCTとヘリカルCT」の「ここで一服」でも言いましたが、CTに関連する呼び方はメーカーごとにまちまちのようです。

 「多列のCT」の言い方も、東芝社、日立社は「マルチスライスCT」、GE社は「MDCT (Multidetctor-raw CT)」、シーメンス社は「MSCT」と呼ぶそうです。
参考) 井田義広: メーカー別用語集, 藤田CT研究会

 
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