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CTの基礎

CTは「断面」ではなく「断層」

ここがポイント

CT画像(MPR)はスライスレモンを光に透かしているイメージ。

ボトム

 図1は腹部のCT断面(参照:MPRとは)を示します。CT画像のことを慣習上「断面」といってしまうので「CT画像はレモンをスパッときったときの表面を見ている(図2)」とお思いの先生方も多いことでしょう。

 しかし、CT の「T」はTomographyの「T」です。すなわち「断面」ではなく「断層」を示します。イメージとしては、図3のように厚みのあるスライスのレモンを光にかざして見ているようなものです(あくまでもイメージです) 。

腹部のCT断面 レモンの表面を見る スライスレモンを光にかざす
図1:腹部のCT断面 図2:レモンの表面を見ていない 図3:スライスレモンを光にかざす

(図1のCT画像は東芝メディカルシステムズ様のご厚意による)
(図2:辻岡勝美:CT自由自在, p20より改変引用)
(図3:日大松戸歯科放射線科・金田教授も十河と同様にハムに例えられていました)

 

 図1は肝臓付近のCT画像です。肺や肝臓は人体の中では大きな臓器のため、被曝のことと癌で手術できる大きさのことを考えるとCTの断層厚は7~10mmで診断されるようです。しかし、歯科診療においてそんなに厚い断層厚の診断では、エキスプローラーでクラウンのマージンをチェックする歯科診療の繊細さとは次元が異なり困ります。そのためインプラントではCT装置が持つ最も薄い撮影スライス厚(十河は医科用CTでは少なくとも1.0mm未満の、できれば最小の「撮影スライス厚」を推奨しています)でCT撮影をすべきと考えています。

 
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