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CTの基礎

異方性から等方性へ

ここがポイント

昔の医科用CTでは、体軸(Z軸)方向の画像は伸びて異方性(非等方性)を示した。

ボトム

 1990年初頭の医科用CTでは、体軸断面(XY断面)内の空間分解能が0.5mmを示すのに比べ(図1)、体軸方向(Z軸)の空間分解能は2~10mmという非常に粗い時代であったそうです。

 その後、1998年にマルチスライスCT (参考:SDCTとMDCT)が開発されたころ、検出器の素子も小さくなる開発が進み、結果として撮影スライス厚が薄くなりました。そのため、体軸断面内(XY平面)と体軸方向(Z軸)の空間分解能がほぼ等しい等方性データ(isotropic volume data)となりました(図2)。

 

 
図1: 実運用上、XY平面の空間分解能については、XY平面のFOVが512×512で分割される。頭部FOVφ250mmの場合、250mm÷512=0.5mmとなる。
 
図2:かつてのCTはZ軸方向の空間分解能力が粗く非等方性データだった(図2-a)。しかし、マルチスライスCTの時代となって検出器の多列化とともに素子の大きさが細かくなったことで等方性のデータとなった(図2-b) 。
 
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